本来絵の解説など必要の無いものだと思っています。しかしこの作
 品「追憶の風」は変奏画であるが故に、作者が何を表現したかった
 のか、ある程度記述しておいたほうが良いのではないかと言う、友
 人の強い進めもあって、少々記してみる気になった次第です。ご容
 赦下さい。                                    
                                            

 この作品はおゝまかに、上記写真の雲の上の黄色の線を
 境に、上と下に分かれます。上は宇宙です。宇宙の、空
 間。神秘。広さ。二人の子供はその宇宙を貫くリズム。チ
 カラ。イノチ。を表現しています。それと絵全体にインパクト
 を持たせる為に、この様に表現しました。この上の部分は
 下の絵の清新さ、透明さを表現するに於いて重要なので
 す。下の風景は、この作品の題名である「追憶の風」を表
 現したものです。なぜか子供の頃の田舎のイメージが幾
 つか重なって、またこの作品を作ろうと思っていた時、たま
 たま見た絵とも重なって、このような表現になったのです。
 もちろんこの絵もイメージの中のものです。現実的にはこ
 のような、一面お花畑のところは在りませんし、川がこの様
 に流れている所も無いと思います。しかし追憶に浸るとき、
 子供の頃の貧乏で苦しかった事よりも、田んぼ一面蓮華の
 花が咲いていたことや、道の脇を流れる30センチぐらいの
 生活用水でも魚取りをして遊べた事や…とにかく水が綺
 麗、空気が綺麗、景色が綺麗、星が綺麗。その様に描き
 たかったのです。清新な空気の流れ、花の香りのするそよ
 風、宙に浮かぶ花はそれを表現しています。追憶の彼方の
 郷愁の思いを…宇宙と現実の風景を、合わせて描くことに
 よって別々のものではなく、関係し合う一つの存在として、
 …1枚の絵の中に表現したかったのです。   


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ついでに、と言っては申し訳有りませんが