ご 挨 拶
皆様におかれましては益々ご清祥の事と御喜び申し上げま
す。私、岩淵孝文と申します。どうぞ宜しくお願い申し上げ
ます。早速ですが、私は二十猶予年を懸けて「石鉱絵画」と
云う物を作ってきました。どんな物かと申しますと当サイト
に記載されておりますように、白セメントと鉱質顔料を適量
の水と練り合わせた着色セメントを、型に沿って一定の厚さ
順次打ち込みながら絵画を形成して行くものです。物の表面
に描いたものとは違い、絵画を形成する全ての色が一定の厚
さを持っているか、若しくはその厚さ分は削っても絵が無く
ならないという、ちょうど金太郎飴のような構造になってい
ます。フラスコ画と違い材質がコンクリートですから野外に
置いても長期に亘って耐えうる強度を持っています。私の実
験では(保障はしませんが)裏打ちコンクリートが10センチ
位あれば大ハンマーで一度や二度叩いても、絵画部が少し凹
む程度ですむ強度を持っています。又絵画部の厚さは薄くて
も5ミリ以上有ります。スプレー等のいたずら防止の為と絵
画を綺麗に見せる為に、実験的に15年間、絵画の表面に水
を流し続けて来ましたが(当方のやり方で)、絵画の表面が1
ミリ削り取られるまでには、あと何年掛かるか判らないほど
の強度を持っています。今まで野外で観賞するためのものと
して、彫刻や色々なオブジェがありました。しかし視覚を通
じて直感的に楽しむことの出来る、絵画のようなオブジェは
無かったように思っています。この「石鉱絵画」は野外に置
いて観賞できる絵画として、二十年以上に亘る失敗の繰り返
しの末にようやく誕生したものです。野外空間を潤すひとつ
の新しいオブジェとして、野外空間という厳しい環境を潤す
新しい文化として、今ある彫刻やオブジェの仲間に入れて頂
き、育んで頂きたいと思っています。